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TERAPUR :センチュウ(へテロデラ カロタエ)に抵抗性がある土壌を清浄するニンジン品種

最新情報
Description

20年にわたる研究開発が完了し、ニンジンの害虫として知られるニンジンシストセンチュウ対策として、ヴィルモランみかどは次世代アグロエコロジーを提案しています。

 

Terapur

 

ニンジンシストセンチュウ、学名Herotodera carotaeはニンジン固有の害虫です。この害虫はニンジンの根を突き破り、栄養分を横取りします。センチュウに寄生されたニンジンは養分を奪われて成長が阻害されるため、商品価値を失います。生産者が被る収量損失は砂質の畑の90%に相当することもあります。センチュウはフランスの広大な盆地にある耕作地や欧州諸国の大半の地域でごく普通に見られるほか、イスラエル、インド、北米、カナダにも生息しています。現在ニンジンシストセンチュウ駆除目的で利用されている主な殺虫剤には、2009年からEUで使用が禁止されているジクロロプロペンが配合されています。フランスではジクロロプロペン使用量削減に関する合意のもと、2018年に使用を中止しています。

ニンジン研究や栽培関係者の総力を結集しました

ヴィルモランみかどは2002年より、AOP Carottes de France、国立農業・食料・環境研究所(INRAE)、CTIFL(果実・野菜総合専門技術センター)、バス・ノルマンディー野菜農家・集約栽培者投資委員会(SILEBAN)による協同プロジェクトの枠組のなかで、次世代ソリューションの探索に取り組んできました。ヴィルモランみかどは3,700本以上のニンジンを選別することから始め、以降長期にわたる選抜期間を経て、2011年、耐性品種テラピュールの特定に成功、優先順位の確認と耕作に適した手段の決定は提携農家と共同で行い、一連の試験に着手しました。2021年の本格的な展開に先立ち、2020年にはフランスの耕作地帯で大規模試験が実施されました。

 

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対抗性植物(おとり作物)

テラピュールは線虫の「対抗性植物(おとり作物)」として働きます。線虫はニンジンを食い破って侵入し、養分を吸い尽くします。養分を失い、成長を妨げられたニンジンは枯れてしまいます。輪作体系の中で利用する場合、前作のあと次作の植え付け前にテラピュールを3か月間栽培することをお勧めしています。化学肥料の代わりにテラピュールを採用すると、通常の畑の環境を維持したまま土壌に存在する線虫やその幼虫の80%を駆除するため、生産者への負担は一切ありません。テラピュールは2021年度の農業賞Sival d’orの新品種部門で金賞を受賞しました。